先日、何年振りかでフランソワ・トリュフォーの「ピアニストを撃て」(1960)を見ました。

ちょっと思いつきでブログ初めてみました。音楽や映画の感想、その他諸々書いてみようと思います。
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先日、何年振りかでフランソワ・トリュフォーの「ピアニストを撃て」(1960)を見ました。レンタルDVDのパッケージには軽妙な作品と書いてありますが、実際はどこかジトっと暗い。でもそこが好きだったりします。作中、主人公シャルル・アズナヴールとマリー・デュボワが車で拉致されるシーンで、彼らを拉致するギャングたちと車中で和気藹々、ストーリーと関係ない会話に花が咲くところが面白いですね。この辺が自分が感じるトリュフォー節という感じ。
ジャームッシュの「ストレンジャー・ザン・パラダイス」を思い出しました。あの映画でも、登場人物達が車に乗ってうだうだしているシーンがあったはず(随分、何十年と見てないけど)。ヌーヴェルヴァーグの作品的な特徴としては、物語が真っ直ぐ進まず、ウネウネ脱線するというイメージがあるんだけど、まさに車中のシーンがそうだと思います。
この頃のトリュフォーは語りがぎこちなくて、なんかギクシャクしたテンポ感に感じます。それがでも、独特の味わいに感じるんです。なんかひっかかる感じ。初めて見たのは、レンタルビデオ黎明期に、確かソニーからビデオが出ていてそれで見ました。
(当時ソニーからブニュエルフェリーニベルイマンパゾリーニ等々ヨーロッパの巨匠監督の作品ビデオがお店に置いてあって、随分それを見ましたね。制作された時代でいうと60年代ぐらいのもの。カラー作品の色彩がちょっと褪せている質感。20歳ぐらいで芸術的な映画に興味津々な頃でした。
当時《90年頃》見ても古い映画だなあと思ったんですけど、その古さは好きな感じでした。)
まあ初めて見た時は退屈だなあと思ってたんですけどね。でも返却するまでに何度か見て、だんだん好きになりました。やっぱり、とても個人的な感情が込められている、所謂作家性を感じますね。なんだか真面目だっり、エキセントリックだったり、文学趣味があったり、フランス人てこんな少し面倒くさいかんじなのか、なんて。
映画は子供の頃からTV や劇場で主にアメリカ映画を見ていましたが、この時代のトリュフォー作品などのヨーロッパ映画を見てから、映画の見方が変わった様な気がします。

いや、はっきり変わりました。